目次
素人なのだから株に手を出してはいけないということではない
定年後に退職金を株につぎ込むのは大バカ者という記事がありました。
日本のメジャーな投信会社の社長が書いているものでした。
株価は日々、時々刻々と変動している。株式投資の未経験者が、自分の大事な資金を株式市場に投じると、どうなるか。今の株価の値動きが気になって仕方がなくなる。結果的に、目先の株価に踊らされてしまい、損を積み重ねることになる。気づいたら、退職金の半分以上が溶けて無くなっていた、などということにもなりかねない。
~中略~
このように考えると、定年退職して時間があるからといって、軽い気持ちで株式投資に手を出すことが、いかに愚かな行為であるか、お分かりいただけると思う。
社長の仰ることはそれはそれでその通りだと思いますが、足りない部分がいくつかあると感じたので、それらを記載します。
素人だから手を出してはいけないといったことの前に、もっと根本的な部分の考え方が必要です。
自分でやるという考えをそもそも変える必要がある
どうして、株やFX等の取り引きを、自分でやってみようという発想になるのでしょうか?
趣味や遊びであれば、自分自身でやりたいと思いますし、逆に、自分自身でやらないことにはそもそも意味がありません。
でも、趣味や遊び以外の事になれば、どうでしょうか?
なにかについて良い結果を出したくて、それについて自分よりも上手い・得意な人がいれば、お金を払ってでもお願いするものではないでしょうか?
つまり、仕事はプロに頼むということです。
例えば、家を建てたいと思ったら、自分で全部やり、尚且つ建築会社よりも良いものを作れるものでしょうか?
ほぼ間違い無く、99%以上、プロである建築会社の方が良いものを作れます。
では、投資はどうでしょうか?株で考えてみます。
プロトレーダーよりも結果を出し、しかも中長期的に結果を出し続けられる素人は、果たしてどれだけいるでしょうか?
99%以上、プロトレーダーの方が結果を出せます。
時々、ほんの一握りの素人が大きく結果を出すので、そういった事例が広告になり、株で儲かる!FXで儲かる!といった宣伝になるのではないでしょうか。
もし、素人でも無数に結果を出せるのであれば、そもそも、プロトレーダーや運用会社というものは存在しないはずです。
もし、お金を増やしたいと思っている第3者がいたとして、結果を出している運用会社と、これから株やFXの取引を始めようと考えている素人のあなたのどちらに、資金を預けようと思うでしょうか?
といったことから、そもそも、素人が自分で取引をして投資をするという発想自体を変える必要があります。
つぎ込む・多くを投資に使うという考えが間違い
お金を一度失うと取り返しがつかない額や年代は、冒険をしてはいけないというのは、投資の基本です。
特に、60代以降は、生活費が足りなくなって稼がなければならなくなっても、
- 体が動かない
- 適当な仕事が無い
- 仮に仕事はあっても倍率が高くてなかなか仕事に就けない
という大問題があるので、高齢になってから働かなければならない状況だけは、絶対に避ける必要があります。
そうなると、投資に充てるお金というのは、慎重に慎重を重ねて考える必要があります。
仮に減っても、
- 働き先がある
- 別な収入源がある
- 頼れる誰かがいる
- 畑で食べ物を作る
といったような、なにかしらの保険がかかっている・補填出来る手段がある金額で、投資をやるべきです。
仮に、つぎ込まなくても、自分自身で把握出来ない額であれば、これも、やるべきではないです。
10万円でも100万円でも、自分で把握出来ないのであれば、引き際や、出金・(商品であれば)現金化といったタイミングを見失うので、小さな損で終わるはずが大きな損にしてしまう可能性があります。
また、そもそも管理出来ないのであれば、どこの金融機関に自分の資産があるのかがわからなくなってしまいます。
そうなれば、そのお金は無いも同然になってしまいます。
なので、投資に使う額が多い・少ないに関係無く、自分で把握・管理出来ることが重要になります。
もしくは、そこまで面倒を見てくれる誰かにお世話になることです。
投信会社社長が書かない、投資をする時の考え方
ということで、投資をする時のそもそもの考え方ですが
- プロに任せる
- 失っても問題無い、もしくは他の方法で補填出来る金額で行う
- 金額の大小ではなく、把握・管理出来る金額で行う
を、記事で書いてあったことに追加するべきです。
そういったことを踏まえて、結果が出ている投資の一例として、私(ブログ管理人:五十嵐)の香港での運用状況を載せています。